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なぜ、1年で日の出の最も早い日は夏至の日ではないのか

就活も研究もなにもかもうまくいっていないwassです。

ところで、夏至の日は1年で最も日の出ている時間が長いことが知られています。 しかし、1年で最も早く日の出る日は夏至の日ではないことはあまり知られていません。 国立天文台の暦Wikiに詳細が書かれています。

この事実を、太陽から見た地球の視点を補足しながら説明しようと思います。

暦Wiki/日の出入りと南中/日の出入りの季節変化 - 国立天文台暦計算室

1年の日の出入りの変化は次のグラフに表されます。(この記事の全ての画像は暦Wikiより)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCA4CEBDD0C6FEA4EAA4C8C6EEC3E62FC6FCA4CEBDD0C6FEA4EAA4CEB5A8C0E1CAD1B2BDrsg3860_0.png

このグラフをみると、「日の入の遅くなるピーク」と「日の出の早くなるピーク」は半月ほどずれている事がわかります。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。

実は、日の出入りの時刻の複雑な変化は、南中時刻が季節に応じて変化するために起こります。夏至は一日が最も長くなりますが、南中時刻が遅くなっていく影響で、日の出が1番早い日は夏至の少し前なのです。

南中時刻が変化するということは、つまり実は、「太陽は常に正午に真南にくる」と言うのが嘘なのです。 これは日本標準時子午線のある明石市でも成り立ちません。

1日は1年を約365等分することで定義されています。 1日や正午の定義に南中時刻は関係ないため、南中時刻は1年のなかで微妙にずれることになります。

では、何が南中時刻の季節変化を引き起こしているのでしょうか。ここが非常に難しいです。

理由は2つあります。

  • 地球の公転する速度が一定ではないから。
  • 地球の自転軸の傾きにより、地球の自転の速度の公転方向の成分が増減するから。

地球の公転する速度は一定ではありません。 これは地球の公転軌道が楕円であるからです。

楕円軌道で太陽の周りをぐるぐる回る地球は、太陽に近い時は速く公転し、遠い時は遅く公転します。これは位置エネルギー+運動エネルギーが保存されることからわかります。

太陽から地球を眺めてみると、地球は1年で太陽の周りを回ります。そして、1年間に約366回、公転と同じ方向に自転しています。

太陽から地球をみると、 公転速度が一定であれば、今日と1日後には太陽からは同じ地球が見えます。 このとき、地球は公転の影響に追いつくため、自転を1回よりすこし余計に多く回っています。

実験してみましょう。自分の顔を太陽と思い、右手を地球として、右手を顔の横50cmのところに立ててみましょう。右手を見ると、手の側面が見えます。

このまま、自転せずに右手を顔の前に持ってくると、手の甲が見えます。 1日で公転を1/4回転した右手星が、1日分の自転をするためには、太陽に1日前と同じ右手を見せる必要があります。 そのため、右手首を1/4回す必要があることがわかります。 実際は1+1/4回だけ右手星は1日で自転します。 ただ、これを右手で再現すると右手がねじ切れるので気をつけましょう。

しかし、自転速度はそのままで、公転速度が速まると、地球は1日後の同じ時刻には同じ姿を見せてくれません。

公転速度が速まると、みかけの1日のために自転は余計に必要になります。自転が余計に必要ということは、地球から見ると太陽がなかなか上ってこないということです。そのため、南中時刻が遅れます。 逆に、公転速度が遅くなると、自転はすこしサボれます。そのため、南中時刻が早くなります。右手星を右斜め前や、左斜め前にもってくることで確かめることができます。

公転速度の変化による、南中時刻の変化は次のグラフに表されています。地球が太陽に近い1月を中心とした半年は、公転速度が速くなり、南中時刻は遅れていきます。 逆に地球が太陽から遠い7月を中心とした半年は、公転速度は遅くなり、南中時刻が早まっていきます。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCA4CEBDD0C6FEA4EAA4C8C6EEC3E62FC6EEC3E6BBFEB9EFA4CFCAD1B2BDA4B9A4EBB6D1BBFEBAB9A5B0A5E9A5D51.png

ところで、公転速度が一定であるとしても、南中時刻は変化します。 もう一つの要因である、自転軸の傾きの影響を考えてみましょう。

1日分地球が自転するには、公転の影響だけ、1回転と余計に自転する必要がありました。この影響は、公転面に対して一定です。 しかし、自転で一定に回転するのは赤道なのです。

地球の自転軸は23.4度ほど、公転面に対して傾いています。自転軸が傾いているということは、太陽から地球を見ると、地球の位置によって赤道の見え方も異なります。

太陽から地球の自転軸をみると、夏は自転軸が太陽側に傾いています。自転軸にともなって、赤道は手前側に傾いています。

手前側に傾いている赤道が回転した時、公転面への影響は拡大されて大きくなります。 すなわち、自転を余計にするとき、少し自転をサボることができます。自転をサボれるということは、南中時刻が早まります。

同様に、冬は自転軸が向こう側に傾いているので、同じように南中時刻が早まります。

// メモ: 公転速度の実験ぐらい直感的な実験が無いだろうか?

春と秋は赤道が右や左に傾いています。赤道が回転しても、公転面からは回転がすこしだけ遅く見えます。そのため、自転がさらに必要になります。南中時刻が遅れます。

自転軸の傾きの影響を南中時刻に反映したのが次のグラフです。夏と冬に早まり、春と秋に遅れる様子がわかります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCA4CEBDD0C6FEA4EAA4C8C6EEC3E62FC6EEC3E6BBFEB9EFA4CFCAD1B2BDA4B9A4EBB6D1BBFEBAB9A5B0A5E9A5D52.png

これら、2つの要因を合成したものが、南中時刻の季節変化です。

興味深いことに、これら2つの要因による変動は同程度の影響があるため、どちらかを無視することは難しいです。

地球の公転速度の影響は14分ほどの増減で1年周期、自転軸の傾きの影響は20分ほどの増減で半年周期です。 結果として、sin波を2つ足し合わせたような南中時刻の変化が起こります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCA4CEBDD0C6FEA4EAA4C8C6EEC3E62FC6EEC3E6BBFEB9EFA4CFCAD1B2BDA4B9A4EBB6D1BBFEBAB9A5B0A5E9A5D53.png

日の長さの計算と、南中時刻の計算を組み合わせることで、1年で最も日の出の早い日を計算できるということです。 難しいですね。

ところで、地球の楕円軌道も他の惑星の影響で変化しています。 また、地球の自転軸はそれ自体が公転面に対して回転しています。 そのため、上の南中時刻の変化のグラフも約21000年で変わっていくということです。スケールが大きいですね。

まとめ:

  • 日の出の最も早い日は夏至よりも10日ぐらい前。
  • その理由は南中時刻の季節変化。
  • 南中時刻の季節変化は、公転速度の変動や地軸の傾きの影響による。

参考:暦Wiki/日の出入りと南中/南中時刻は変化する - 国立天文台暦計算室